夢にうつつぬかせるのがいい

http://anond.hatelabo.jp/20080826211923
男ヲタの「俺の嫁」が許されて、女ヲタの「私だけの王子様」が蔑まれる理由 - わたしはパパの嫁になりたい。
でとりあげられているもの。

まず『男ヲタの「俺の嫁」が許されて、女ヲタの「私だけの王子様」が蔑まれる理由』に対してなんだけど、「俺の嫁」も「私だけの王子様」も、非オタクの人間から見たら、どっちも白い目で見られる発言だろう。
また、男オタク界隈では「俺の嫁」はいまネタとして受け取られて特に変な目で見られないように思うけど、最初に「俺の嫁」とか出てきたときは、男オタク界隈でも、なんだこいつ?って思われていたんじゃなかったっけか? 出てきた当時のことはだいぶ記憶がおぼろげなんだけど。なんか男オタク界隈に受け入れられる素地もあったんだろう。使うやつどんどん多くなって、今ではとくに変に思われなくなった。
女オタク界隈では「私だけの王子様」はネタにならず嘲笑される。
男ヲタの「俺の嫁」が許されて、女ヲタの「私だけの王子様」が蔑まれる理由 - わたしはパパの嫁になりたい。では、男オタクと女オタクのキャラ消費の仕方が異なるように書かれているけど、それは本当か?と自分は思う。
これって単にわれら男オタクと女オタクの力関係(力関係ってのは母集団の絶対数ぐらいに思ってほしい。数は力だからね。)が、男オタク>女オタクだからじゃないの?とか思う。
男オタクにせよ、女オタクにせよ、マイノリティであることに変わりはないんだけど、マイノリティは他のマイノリティに優しいわけじゃなく、他のマイノリティを叩くことマジョリティと変わらない。んで、男オタクも女オタクを叩くし、女オタクも男オタクを叩くわけだけど、絶対数の違いによって女オタクはよりマイノリティとして叩かれることになる。また、趣味にうつつを抜かすことに対して、男よりも女に厳しい目が注がれる。われら男はある程度安全なところで「俺の嫁」とか言いながら夢を見てられるんだけど、女はそうじゃない。下手なこと言っているとどんな叩かれ方するかわからない。だから自衛のために過度に夢にうつつを抜かすような物言いをつつしむようになるし、また、マイノリティ(≒弱者)はマジョリティ(≒強者)の口まねして、マジョリティに責められないようにすることは多い。口まねしている間に、自分でもそれを本気で言っているように思いこんだりする。世間に、男オタクに叩かれないよう自衛しているうちに、「私だけの王子様」みたいな発言をする相手を自分たちが叩くようになる。そういうものじゃないかと思う。
自分は趣味にうつつをぬかすことに非難される度合いの男女差、男オタクと女オタクの絶対数の差、そういったものが似通ったときに、女オタクも自分たちの趣味について安全に浮かれた発言ができるようになって、「私だけの王子様」がネタになるんじゃね?とか思う。

あと、男ヲタの「俺の嫁」が許されて、女ヲタの「私だけの王子様」が蔑まれる理由 - わたしはパパの嫁になりたい。にある、

浮気を暴いたときもそんな感じだし(男は女本人を責めて、女は相手の女を責める)

に関してなんだけど、これはここで出すのが妥当な話じゃないように思う。
男女関係は色々だと思うけど、とりあえずつきあってたり結婚してたりしたら、浮気しないってのは大事なことだと思う。男が浮気したにせよ、女が浮気したにせよ、まず浮気した人が一番問題があって、つぎに浮気の相手に問題があると考える。まあ、浮気された人がすげーDV野郎だったりとかあるかもしんないけど、そういうのはここでは考えない。浮気された方としては、浮気したパートナーも、その相手もどっちもむかつくだろう。
でも、力関係で責める相手が決まると思う。
ある男(Aとする)の恋人、もしくは妻が、浮気の相手にする男(Bとする)って若くて力がある、自分より手強い男であることがおおいのじゃなかろうか? つか、BがAより魅力的じゃなかったら浮気なんてせんよね。AにとってBを相手にするのってたいへんなはなしだ。だから、Bを相手にするより、浮気した恋人を責めるのじゃないかな? できれば男同士の争いって回避したいから、恋人を責めるにとどめる。もしAがすげー喧嘩が強くて、Bが若くて魅力的だけどAには暴力沙汰で勝ち得ない男だったら、Bもひどい目にあうと思う。
女が浮気された場合は、浮気した男が一番悪いんだけど、じゃあ、その男にくってかかっていけるか?となる。難しいよね。たいがいの場合、相手は自分より力のある相手だ。そして、人は自分が悪くても、それを認めないことはよくある。恋人や妻に責められて、それを暴力的に封殺する男もいるかもしれない。また、実際にそんなことしないにしても、自分より力がある相手には及び腰になってもおかしくない。じゃあ、責めることができるのは? 次点の浮気相手になる。力強い性格の女性だったら、浮気相手も責めるだろうけど、男の抱える暴力におじず、男も責めるのじゃないかな?
この本当に悪い相手を責めると怖いから、次点、ひどいときには被害者を責めるなんてのは世の中にあふれている。
男女で浮気への対応がことなるのは、男女が抱える暴力の差に夜と考える。男と女が抱える力が同じだったら、浮気のときの対応は変わらないだろう。
浮気への男女の対応差は、男女のキャラの消費の仕方の違いに対する論の補強にはなり得ないと考える。

あとだ、ちょっと前に声優宮野真守さんが結婚したとき、女オタクの発言のなかには相当に痛いものがあった。
男オタクが、恋人がいることが発覚した女性声優を叩くのと同じものがあった。
これは夢にうつつを抜かす女性が増えて、男と同じような、ばかげた発言をする人が表に出てきやすくなったのだなあと、自分なんかは考えた(以前から痛い人はいたと思うけど、保身を考えずに、うかつな発言しちゃう人は少なくて目にとまりにくかったろうと考える)。
これは女オタクにとっては、ある意味では良いことだと思う。
勢力が小さかったなら、社会のなかでもっと息を潜めて生きなければならないなら、こんな発言ができるようなうかつな人は、なかなかでてこられない。身を守る必要が少なくなってきたから、屈託無く(?)ばかげたことを言う人がいくらか出てきたと思えるわけで、それなりに数が増え、力を持ったということだ。
『女ヲタの「私だけの王子様」』が、非オタクからきもがられるのはしかたないとして(それは男オタクの「俺の嫁」とて変わらない)、オタク界隈で白い目で見られず、たんなるネタとして受け取られるぐらい、女性が趣味にうつつをぬかせる社会になるといいのじゃないかな?
もっとも、男オタクと女オタクの力の差が逆転すると、今度はわれら男オタクが「俺の嫁」みたいな発言を自主規制しちゃう事態になりそうなんで(女オタクから「ばっかじゃねえの? おまえら」と言われるのにおびえて)、力をもつにしても、同レベルまでにして欲しいけど。